ないしょのM組

ないしょのM組 あかりと放課後の魔女』と『ないしょのM組 あかりの大事な宝物』という角川つばさ文庫の児童小説を読みました。

この本を読んだきかっけは、著者の福田裕子さんの『枕草子 平安女子のキラキラノート』を読んで面白いなと思ったからで、『ないしょのM組』も読んでみたくなったからです。このことはTwitterでも書きました

ちなみに福田さんの『枕草子』を読んだのは今年の2月でして、実は『ないしょのM組』も2月の下旬には読み終えていて、すぐに感想を書こうと思ったのですが、色々とゴタゴタしていてだいぶ遅れました。以下が、角川つばさ文庫の福田さんの著書です。


ないしょのM組_枕草子_平安女子のキラキラノート.JPG

『ないしょのM組』の第1巻目である『あかりと放課後の魔女』の冒頭、辺花あかりが転校先の学校で5年M組に入った時、変なコスプレをしているクラスメイトたちに驚愕しますが、それぞれの魔女の姿をしていたわけです。いきなり強烈なシーンで、読み進めるのが楽しみになってきます。

この魔法のクラスで、あかりは百合草千夏と神ノ木ひみと仲良くなるのですが、この二人は性格が真逆と言っていいくらい異なります。千夏は底抜けに明るくて、手品とかを披露してくれるので、物語を明るくしてくれる子で、ひみはおとなしくて根暗なのですが、だからこそ『放課後の魔女』の97~100頁や『大事な宝物』の64~80頁の豹変ぶりはインパクトがありました。特に『大事な宝物』の66頁のイラストを見た時、普段とのあまりのギャップに笑ってしまいましたが、ひみって(大女優である宝石桜子の娘の)魔女アイドル桃加と対抗できそうかも。

この本は魔女の物語ということもあり、作中では魔法の呪文がいくつも出てくるのですが、何かのアナグラムになっています。元は何だろうなと考えながら、読む楽しみもありました。以下が作中の呪文の一部です。


「ラマヒ・ゴケ」
「ベラヲ・トソ」
「ウジンヒ・ヨノ」
「ルコ・エカノ」



ネタバレになるのであまり内容を詳しくは書きませんが、あかりは出来の悪い生徒で、後半では追試を受けさせられます。こういう魔法が登場する子供向けの作品って、主人公は劣等生であることが多いですね。でも魔女の世界は13進法ですから、人間の世界に行き来するために12進法と使い分けなければならないって、劣等生でなくても小学生にはきついかもしれません。

それと、魔女と言えば使い魔ですね。あかりたちにはサンとキューとベリーという3匹のペンギンが使い魔となり、後半の追試で後半に大きな活躍を見せました。この物語の大きな見どころの一つと言えます。ところで、サンとキューとベリーが初登場した時、マッチという名前のキャラクターもいないのかなと思いましたら、いたのですね。

追試が行われる前、131頁では魔法組のイケメンの十夜くんが酷いことをしていましたが、これはたぶん何かあるのではないかと思いました。それで読み進めてみたら、なるほどそういうことだったんですね。十夜くんって普段は無愛想ですが、性格もイケメンのようです。

この学校の校長は三田先生もなかなかいいキャラクターでしたね。どんな外見かは27~28頁を読んですぐに想像がつきましたが、177頁のイラストを見た時、元ネタの人物を画像検索して、どのくらい似ているのかなと比べてみたり。

第2巻目の『あかりの大事な宝物』ではアリサも加わって、色々な展開が繰り広げられますが、うらない大バトルでは笑いました。あかり、可哀そう(笑)

しかし、あかりたちが買い物に行く話を読んだ時、自分は悪い意味で大人になってしまったなと痛感しました。洋服屋で桃加が服を大人買いする場面が書かれた、『大事な宝物』の97頁から引用します。


「さーて、桃加、棚の右はしから左はしまで、ぜーんぶ買っちゃおーっと! 女優のママの、クレジットカードではらいまーす!」
桃加は、あたしたちに見せつけるかのように、金ピカのクレジットカードを取りだし、ひらひらさせた。



これを読んだ時、「ブラックカードじゃなくてゴールドカードなのか。宝石桜子さん、大女優のわりにたいしたことないな」と思ってしまいました。今は安定収入があれば高額所得者でなくても、ゴールドカードを取得するのはそんなに難しくありません。本当の金持ちが持つカードとは、限度額がなく、一切の制限もなくお金を引き下ろせるブラックカードだと思います。ブラックカードを取得するには相当な資産がないと無理なはずです。

いや、もちろんメインの読者層の子供たちにはブラックカードよりゴールドカードと書いた方が、桃加が金持ちであると印象付けられるというのは分かります。ですから、ここは金ピカのカードと書くのが適切ですよね。

「桃加は、あたしたちに見せつけるかのように、限度額無制限(年会費35万円)のブラックカードを取りだし、ひらひらさせた」なんて書いたら、絶対に編集さんから修正を指示されますな。「桃加ってお金持ってるんだな〜」ではなく「ブラックじゃなくてゴールドなんて、大したことないな」と思ってしまった自分にちょっと嫌悪感。

色々なことを考えながら読むのを終わらせた時、他のキャラクターにも想像を巡らしました。

サンとキューとベリーの弟のマッチも登場しないかなとか、和尚(かずなお)くんが活躍する話があったら面白いなあとか。ぽくぽくち〜ん。あるいはチェックの帽子と虫めがねの探偵みたいな男の子ってどんな子なのかなとか。続編が出たら、M組の生徒たちの活躍をもっと見てみたいですね。ひみは音楽室でモーツァルトとシューベルトとバッハを呼び出していましたが、続編ではブラームスとビゼーとショスタコーヴィチを呼び出してみるのが面白いかも。あ、でもショスタコーヴィチの肖像画は小学校の音楽室にはないか。私の小学校にもありませんでした。

それと、ひみにもう一言。「あとがき」で著者の福田さんに披露していた変顔、続編が出たら見せてね。駒形さん、イラストお願いしますね。

以下、あかりたちに贈る私からのメッセージです。

『また会う日を楽しみに』



ところで、今年の2月に『枕草子 平安女子のキラキラノート』の本を手に取った時、福田裕子さんってどこかで聞いた名前だなと思いましたが、調べてみて分かりました。『プリパラ』の脚本を書いていたのですね。

数年前、『探偵オペラ ミルキィホームズ』が面白くて、同じ森脇真琴監督の作品ということで『プリパラ』のテレビアニメ版を何話か鑑賞したのですが、その時に福田さんのお名前を確かに見ました。福田さんが脚本を書いた第3話「チーム解散?困るクマ~!」はなかなか面白かったので、内容はよく憶えています。

個人的には、大神田グロリア校長がなかなか強烈なインパクトを与えてくれましたね。しかしみれぃがわざわざデータを提示してプリパラに行くことの効用を説明した時、友達ができることを否定していましたがそれって教育者失格ではないでしょうか。でも、らぁらにわざわざヤギの物まねのお手本をやってくれていたのですから、やっぱり教育熱心な人なのでしょう。それに校長が友達を否定してまでもプリパラを異常に嫌うのは、過去につらい経験をしたことが原因だったわけですし。あと、梅干しピザってどんな味なんだろうなぁ。あまり賞味したくありませんが。

というわけで、本屋で偶然手にした『枕草子 平安女子のキラキラノート』の著者が、実は過去に鑑賞したアニメの脚本を書いていたとは、なかなか面白い巡り合わせですね。

アニメの方は鑑賞できる機会が必ずしも多くありませんが、書籍の方では福田裕子さんの作品を今後も楽しみたいと思います。

ないしょのM組_あかりと放課後の魔女(特典:「(つばさ)ないしょのM組」ぬりえ PDFデータ配信) (角川つばさ文庫) - 福田 裕子, ぱらふぃんピジャモス, 駒形
ないしょのM組_あかりと放課後の魔女(特典:「(つばさ)ないしょのM組」ぬりえ PDFデータ配信) (角川つばさ文庫) - 福田 裕子, ぱらふぃんピジャモス, 駒形
ないしょのM組 あかりの大事な宝物 (角川つばさ文庫) - 福田 裕子, 駒形, ぱらふぃんピジャモス
ないしょのM組 あかりの大事な宝物 (角川つばさ文庫) - 福田 裕子, 駒形, ぱらふぃんピジャモス
枕草子 平安女子のキラキラノート (角川つばさ文庫) - 清少納言, 福田 裕子, 朝日川 日和
枕草子 平安女子のキラキラノート (角川つばさ文庫) - 清少納言, 福田 裕子, 朝日川 日和

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント