昭和の「サル山根性オヤジ」を描ききらなかった『クレヨンしんちゃん』

ダイヤモンド・オンラインに「昭和の「サル山根性オヤジ」が女性や外国人の活躍を阻む」という記事がありました。

記事の執筆者は東京大学教授の安冨歩氏です。安冨氏については、「東大話法」の提唱者として、以前にも紹介したことがあります

上記のダイヤモンド・オンラインの記事を読まれてから、以下の記事を読んでいただければと思いますが、野原ひろしが勤める双葉商事は、いかにも安冨氏が言うところの「ホモマゾ」という感じがします。ユミちゃんのような女性社員は、いかにも「お茶くみ女子」という感じで、男どもと一緒にバリバリ仕事をして、上へのし上がって行こうという感じは全然しません。

そもそも双葉商事の役員や管理職に女性は見たことがありません。外国人の社員も登場しません。双葉商事の会議の場面が何度か出てきたことがありますが、全員見るからに「日本人の男」です。

これは、『クレヨンしんちゃん』のスタッフが意図的に昔ながらの企業のあり方にこだわっているというより、(私の経験から言っても)日本の企業が今もこのような状態が顕著なのだと思います。実際、安冨氏の指摘する通り、日本の企業って多くはあんな感じですから。実際、上場企業の女性役員は3.3%という日経新聞の記事もあるくらいです。また、2017年の男女平等度ランキングでも日本は114位という低さだったりします。

そういうわけで、日本の企業の多くは未だに「サル山根性オヤジ」の巣窟と化しているわけですが、『クレヨンしんちゃん』のテレビアニメで、こういう「サル山根性オヤジ」が集まる企業の弊害を揶揄していると解釈し得る話があります。「父ちゃんと母ちゃんが入れ替わったゾ」(2004年2月7日放送)です。この話はアニメオリジナルなので原作はありません。

題名の通り、ひろしとみさえが入れ替わってしまって、外見はひろしだけと中身がみさえという状態で、双葉商事へ行きます。そこで、外見がひろしになっているみさえは、重役ぞろいの会議に参加させられます。

ここで、みさえはやけくそで、その時の議題に上がっていた商品の値段が3980円なのに文句をつけて、そんな値段で主婦は買うような商品じゃないだろうと、真正面から異を唱えます。1980円なら買っちゃうかもと言うと、みさえは重役たちに睨まれてしまいます。「ホモマゾ」の傾向がある「サル山根性オヤジ」どもには、実際に消費者としても目線が抜け落ちていたのです。ああいう商品の購入を女性に任せっきりだったからでしょう。

さて、ひろしの姿をしたみさえは、もしかしたらリストラかと危惧しますが、会議の後に値段が1980円になりそうだという知らせを受けました。部長は大胆な提案をしたと褒めてくれました。

なるほど、ここで描いている事は、安冨氏が言うところの「ホモマゾ」の傾向を持つ「サル山根性オヤジ」が牛耳る双葉商事ですが、実際はそこまで酷い状態ではなく、改善の余地があることを示していると言えます。

もし、ひろしがリストラか、そこまで行かなくてもその後の人事で不遇な目に遭えば、双葉商事は「ホモマゾ」の満ちたどうしようもない企業で、早晩壊滅するでしょう。しかしそうはならなかったわけで、双葉商事の将来はそれほど暗いものではありません。ひろしは職場については恵まれている方でしょう。

あと何年もすれば、女性の管理職や外国人(外国出身、親が外国人など)の社員が出てくるかもしれません。ただ、『ジョジョの奇妙な冒険』『やりすぎ!!!イタズラくん』の件があったように、外国人や外国文化の描写は一歩間違えると国際問題に発展する可能性もあるので、難しいでしょうが。

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