クレヨンしんちゃん分析録

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zoom RSS 韋駄天ハインツ

<<   作成日時 : 2016/05/26 03:00   >>

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映画の『爆睡! ユメミーワールド大突撃』を鑑賞していて、ドイツのある軍人のことが頭に思い浮かんだことを、以前書きました

第二次世界大戦のドイツ軍で、ハインツ・グデーリアン(Heinz Guderian、1888年〜1954年)という軍人が大活躍をしまして、その名を高めました。

グデーリアンは電撃戦という戦闘法を考案し、ナチス・ドイツの総統(※)ヒトラーはグデーリアンの主張を受け入れて、第二次世界大戦でドイツ軍は電撃戦が採用されました。

なお、電撃戦を考案したのは、フランスのシャルル・ド・ゴールやソ連のミハイル・トゥハチェフスキーらもいましたが、ド・ゴールの主張は保守的なフランス軍では受け入れられず、トゥハチェフスキーに至っては、スターリンに粛清されましたので、フランスやソ連では採用されませんでした。

グデーリアンは1939年のポーランド侵攻、1940年のフランス侵攻、1941年のソ連侵攻で次々にヨーロッパ各国を占領下に置く快進撃ぶりを見せ、「韋駄天ハインツ」と呼ばれました。

この「韋駄天ハインツ」の韋駄天とは、仏教における仏法の守護神とされ、足の速い神だったことから、足の速い人のたとえに使用されます。

「韋駄天ハインツ」は、元のドイツ語は"schneller Heinz"です。「シュネラー・ハインツ」と読みまして、英語にすると"faster Heinz"、つまり日本語に逐語訳すれば「より速いハインツ」、「さらに速いハインツ」です。

そうは言っても、「より速いハインツ」とか「さらに速いハインツ」では、実にダサイ訳です。というわけで、「韋駄天ハインツ」という訳が広まったのでしょう。最初に、誰が"schneller"を「韋駄天」と訳したのか知りませんが、なかなかの名訳です。

しかし、『爆睡! ユメミーワールド大突撃』を鑑賞して、「とにかく明るい安村」がしんのすけたちを速足で追いかけてくるシーンで、"schneller Heinz"の別の翻訳を思いつきました。

「とにかく明るい安村」にちなんで、"schneller Heinz"を以下のように訳してみてはいかがでしょうか。




「とにかく速いハインツ」




逆に、「とにかく明るい安村」がドイツで売り出されることになれば、ドイツでの芸名は、「(性格が)明るい」を意味する"fröhlich"から、"fröhlicher Yasumura"(フレーリヒャー・ヤスムラ)がよろしいかと思います。

なお、"ö"という文字は、日本語の「エ」ではなく、口を丸くして、「オ」を出すような感じで発声する「エ」です。私はこの発音を習得するのに、2年くらいかかったかと思います。というか、今も正確に発音できるか自信はありませんが。


(※ナチスの最高権力者であったアドルフ・ヒトラーの肩書は、日本では総統と訳されていますが、厳密には誤訳です。総統の元のドイツ語の"Führer"(フューラー)は、「導く」を意味する"führen"(フューレン)の動作主名詞で、「導く者」、「指導者」という意味です。ヒトラーは権力を獲得する前から、ナチス党内では"Führer"と呼ばれていたので、これは国家の最高指導者を意味する言葉ではありません。一方、「総統」は中華民国(台湾)の国家元首としても使用されていて、中華民国の総統はドイツ語でPräsident、英語でPresidentですので、「大統領」と同義です。ヒトラーが権力を獲得した時、総統とか"Führer"といったポストが設置されたわけではなく、それまで存在した大統領(Reichspräsident)や首相(Reichskanzler)というポストが消滅し、ナチス党の"Führer"だったヒトラー個人に、ドイツの最高権力者としての地位が与えられたことで、ヒトラーはナチス党内だけでなく、ドイツの"Führer"となったわけです。以前から総統に代わる"Führer"の新しい訳を考えていますが、思いつきません。「指導者」や「導師」ではしっくり来ないですし。何かうまい訳はないでしょうかね。他にも、英語の"emperor"(エンペラー)やドイツ語の"Kaiser"(カイザー)を「皇帝」と呼ぶのも、実は誤訳だったりします。皇帝は、"emperor"や"Kaiser"とは別の概念です。この事について、後日詳しく書こうか考えていますが、当分析録は『クレヨンしんちゃん』のファンブログですし。どうしようかしら)


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんはんは。
グテーリアン上級大将ですか…
私はナチス時代の軍人といえば、陸軍ではルンテシュテット元帥、マンシュタイン元帥、ロンメル元帥、海軍ではヒトラーが次期総統に指名したデーニッツ元帥、空軍では元帥や将軍よりもJu-87シュトゥーカ急降下爆撃機を操縦したルーデル大佐やBf-109戦闘機を操縦したハルトマン少佐、マルセイユ大尉といったパイロットを思いだしました。SS(親衛隊)についてはゲシュタポの長官だったハイドリヒしか思い浮かびませんでした。
メッサーシュミットBf-109戦闘機はアニメ映画『わが青春のアルカディア』にて英空軍のスピットファイアと空中戦を演じています。

スターリンは、ルーデルとハルトマンに莫大な懸賞金をかけたそうです。

独ソ開戦以降、ソ連赤軍にT-34という戦車が登場し、これまでのV号戦車やW号戦車では歯がたたず、ドイツ軍はY号戦車ティーガーやX号戦車パンター、Y号戦車U型ケーニヒスティーガーを開発しますが戦力としての絶対数の不足や弾薬燃料の欠乏もあって劣勢を挽回できませんでした。

ヒトラーが独ソ開戦(バルバロッサ作戦)を命じたのは1941年6月22日ですが、1812年6月22日といえばナポレオン1世がロシア遠征を命じており、6月22日は不吉なことのある日だなとおもわずにはいられません。

ちなみに12月8日もまた、日米開戦や力道山が腹部を刃物で刺され(一週間後に死亡)、ジョン・レノンが拳銃で射殺されるという兇日だなと感じました。
しんきち
2016/05/27 00:55
ナチス時代の軍人については、私は軍事関係に詳しくないので、軍事好きな方の間ではよく知られている人物でも、知らない場合があります。ルーデル大佐やハルトマン少佐は知りませんでした。私は軍事好きというより、欧州史を調べる過程で、軍人の名前を知ったので。

ナポレオンのロシア遠征は、トルストイの『戦争と平和』でのアウステルリッツの戦いの描写が凄まじかったです。トルストイ自身がクリミア戦争に参加しており、その経験が生かされているようです。

バルバロッサ作戦は、当初は5月15日に行う予定でしたが、反ドイツ勢力によるクーデターが発生したユーゴスラビアを攻撃するのに時間を取られ、6月22日に延期となりました。もし、予定通り5月15日に行われていたら、冬将軍到来の前に、モスクワは陥落していた可能性が高いです。

12月8日も何かと不吉な日になってしまいましたね。ただ、力道山が刺された日だということまでは知りませんでした。
チョルス
2016/05/27 12:46
久々にしんきち様の書き込み読ませていただいたものの、盆栽すし様や青たこ様の書き込みとは異なり、歴史やミリタリー、昔のアニメや声優などのネタに強いなとただただ感心であります。

さて、バルバロッサ作戦で思い出したが、この作戦の立案者だったドイツ国防軍最高司令部作戦部長で、後には上級大将になるも、ドイツが無条件降伏のさい対連合国の降伏文書に調印し、戦犯として逮捕されニュルンベルク裁判で、バルバロッサ作戦におけるソビエト連邦の各都市の徹底破壊を指示したとの件で責任を問われ、絞首刑に処せられたアルフレッド・ヨードルの事も忘れてはならないです。

なんでも、ヨードルはヒトラーへ直言できる数少ない軍人の一人であり、戦犯になって収容所の中でも名戦略家として被告のなかで厚い信頼を得るなど、そして処刑されるさいの最期の言葉も「わがドイツよ、挨拶を送ります」と、同じく絞首刑に処せられたウィルヘルム・カイテル(国防軍最高司令部総長、元帥)も、「祖国ドイツのために死んだ兵たちの跡を追います。全てに勝るドイツよ!」という遺言を残し、ヨードルと同じ態度で最期を迎えたそうです。

そして、ナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)に翻弄され、ドイツ国防軍の幹部たちの運命を見てみると、ある者は粛清され、ある者は失脚し、またある者はナチスに協力して戦犯となり刑に服したりと、いろんな生き様があったけど、今に生きる我々にもある意味において、かつてのドイツ国防軍幹部みたく、様々な場面で当てはまる箇所があるのではないかと考えます。
せん太郎
2016/06/11 13:16
しんきちさんがこの方面にお詳しい事に対して、私は意外に思ったりしました。

アルフレッド(ドイツ語ではアルフレート)・ヨードルだけなく、ゲルト・フォン・ルントシュテットやエーリッヒ・フォン・マンシュタインなど、ドイツ国防軍にはヒトラーに直言できる軍人が何人もいました。ヒトラーはドイツ国防軍を完全に掌握できず、そういう意味でソ連赤軍の軍人を大量粛清したスターリンと比べると、独裁者になり切れていなかったようにも見えます。

ドイツにしろソ連にしろ、当時の異常な状況の中、運命に翻弄された人々を見ると、現代の人々も、さらにどの時代の人類も、程度の差はあれ運命に翻弄され続けてきたと言えるかもしれません。
チョルス
2016/06/13 02:33

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